お子さんの歯並びが悪くなってしまう原因の一つとして虫歯があります。大きな虫歯ができて歯の形が変わったり、虫歯の乳歯を早めに抜いてしまうと、隣の歯が動いたり、大人の歯が正常に萌えることができなくなり、歯並びが悪くなってしまうことがあります。お子さんに虫歯ができてしまう原因として、適切な歯磨きができていないことが多いのですが、歯磨き以外にもスポーツドリンクの過剰摂取が要因になっていることがあります。
野球やサッカーなどスポーツを習われていたり、クラブチーム等に所属しているお子さんは沢山おられると思います。スポーツをしていると当然喉が乾きますので、水分補給が必要になります。真夏の炎天下、休憩中にスポーツドリンクをがぶ飲みするというお子さんも少なくないのではないかと思います。実は市販のいわゆるスポーツドリンクには多量の糖分が含まれています。練習中や試合中などに継続的にスポーツドリンクを摂取していると、口の中に常に糖分が存在する状態になってしまい、様々な場所に虫歯ができてしまう原因になります。多発的に虫歯ができてしまうことにより、歯の形が変わってしまったり、乳歯から永久歯への交換が上手く行かず、結果として歯並び・咬み合わせが悪くなってしまうのです。
では500mlのスポーツドリンクにどれくらいの糖分が含まれているかと言うと、代表的なポカリスエットで約31g(角砂糖約9.4個分)、アクエリアスで約23.5g(角砂糖約7.1個分)含まれています。ポカリスエット500mlをがぶ飲みすることは、角砂糖9個を一気に食べてしまうことに相当します。それが大変なことであることは、容易に想像していただくことができると思います。市販のスポーツドリンクを飲むことは、いわば「砂糖水」を飲んでるようなものなのです。ちなみに500mlのコーラには約56.5g(角砂糖約17.1個分)、サイダーには約55g(角砂糖約16.7個分)の糖質が含まれていますので、コーラやサイダーのがぶ飲みは余計に良くありません。
世界保健機構(WHO)によると、大人の1日あたりの糖分(砂糖)摂取量の目安は約25~30g(体重の約0.05%)とされています。500mlのポカリスエット1本を飲むと、大人の1日に必要な糖分を摂取していることになります。コーラやサイダーであれば2倍を摂取していることになります。当然子供では糖分の摂取し過ぎになってしまいます。
糖分を摂取しすぎると
- 虫歯
- 肥満
- 集中力の低下
等の原因になります。
スポーツをすることはお子さんの健康や身体的・精神的発達にとって非常に有意義なことですので、水分補給もぜひ健康的なものにしていただきたいと思います。スポーツドリンクではなく、水やお茶、経口補水液などを選んでいただきたいと思います。
2024月02月04日
院長 大西 秀威