遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。本年も大西矯正歯科クリニックならびにこのコラムを宜しくお願いいたします。2015年最初のコラムは、外科矯正の術前矯正についてお話したいと思います。
「外科的矯正治療の流れ」のページにあるように、外科矯正をする場合、いきなりすぐに外科手術をするわけではなく、まずは上下の歯にマルチブラケット装置をつけて、歯並びを綺麗に並べてから外科手術を行います。この手術前の歯並びの矯正を術前矯正と言います。術前矯正は通常1~2年程度かかります。
外科矯正を希望される患者さんは、顔立ちや口元の見た目の改善を希望されることが多く、たいていの場合できるだけ早く手術をしたいと希望されます。しかし、通常は術前矯正をしてから外科手術となります。なぜいきなり外科手術するのではなく、術前矯正をしてから手術をするのでしょうか?
外科矯正治療前の歯並びには、多かれ少なかれ歯のガタガタがあります。また、上下の顎の位置が大きくずれていることが多く、正しい咬み合わせではありませんが、顎がずれた状態でなんとか上下の歯は咬み合っているという状態です。 そのような歯並びの状態で、外科手術でいきなり顎の位置を動かしても、上下の歯並びはまったく咬み合いません。手術後に上下の歯並びがしっかりと咬み合わず、安定していないと、せっかく手術したのに術後に咬み合わせがずれてしまい、再び顎の位置がずれてしまう可能性が高くなってしまいます。それでは手術をする意味がありません。手術後に咬み合わせがしっかりと安定するように、手術前にあらかじめ歯並びを整えておく治療(術前矯正)が必要になるのです。
最近では、「サージェリーファースト(手術<=surgery>を最初に<=first>)」という方法もありますが、この方法を行うにはいろいろな制約がありますし、保険が適応されないため、治療費が非常に高額になります。そのため、サージェリーファーストが可能な症例はかなり限られます。やはり術前矯正してから外科手術するのが、外科矯正の基本的な治療の流れとなりますし、最も安定した結果を得られる方法となります。
外科矯正についてお悩みの方は、お気軽に当院までお問い合わせください。
2015月01月24日
院長 大西 秀威